不動産全般のお悩みQ&A

団塊ジュニアが直面する不動産の困りごと

日本人口の大きな割合を占める団塊世代が後期高齢化を迎えています。2013年の内閣府の白書によると、この世代の持ち家率が86.2%で、その大半が家を持っていることになります。
そして、その不動産が団塊ジュニアにとって、大きな重荷になる可能性があると指摘されています。税金、維持費など、団塊ジュニアが直面する不動産に関するお困りごとのうち、下記の4つの問題を抜粋して解説します。

【Q1】親が認知症で不動産の取り扱いがストップ!どうする?

親がまだしっかりしているうちに不動産の取り扱いなどについて家族間で話し合えれば良いのですが、そう簡単にいかないのが世の常です。親が認知症と診断されれば、不動産の取り扱いは限られてしまいます。認知症の親が所有する不動産を売却したり賃貸で貸し出したりするには、成年後見制度を利用する必要があります。

成年後見制度とは

認知症を患うと判断能力が衰えるため、各種契約や預貯金の管理が難しくなります。そうした場合、家庭裁判所の監督のもと、法的に支援する制度が「成年後見制度(こうけんにんせいど)」です。
この制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」があり、認知症などすでに判断能力が不十分な人を支援する場合は、前者の「法定後見制度」を利用します。さらにこちらは、後見・保佐・補助の3つの型に分かれており、判断能力の程度によって決まります。親の認知症が相当進んでいる場合は、財産に関するすべての法律行為を代理できる「後見」を選択するのが一般的です。

成年後見人ができること

成年後見人になると、日常生活に関する行為を除くすべての法律行為について、本人に代わっておこなったり、必要に応じて取り消したりすることができます。たとえば、不動産売買などの代理契約や預貯金の管理、施設入所契約など、本人に代わってさまざまな行為を成年後見人はおこなうことができます。不動産を所有している親が認知症を患ってしまったら、成年後見制度を利用して本人に代わって実家の売却も可能です。

【Q2】何故、不動産が絡む相続はトラブルになりやすい?

相続トラブルにおいて、遺産の額はあまり関係がなく、一般的なご家庭でも相続関連のトラブルは頻繁に起こっています。特に、不動産が火種になることが多く、分けにくい財産であることがその原因のようです。
被相続人(亡くなった人)の遺産を相続できる人は法律によって定められており、法定相続人といいます。遺産を分割するにあたって、まずは相続人を確定させなければなりません。遺言書があれば遺言書に従いますが、ない場合は相続人全員による遺産分割協議が必要になります。
遺産分割協議とは、相続人全員で被相続人の財産の分け方を決める話し合いのことです。
「遺産は遺言書や法定相続割合に合わせて決めるもの」と思っている人も少なくありませんが、相続人全員が納得し合意すれば自由に決められます。なお、遺産の分け方が決まれば、言った・言わないのトラブルを防ぐために遺産分割協議書を作るようにしましょう。

遺産を相続する人を確定する

遺産を相続できる人は、法律で定められた相続権を持つ人だけです。どのような家族構成だとしても、配偶者は常に相続人になります。配偶者以外に相続人になれる人には順位があり、第一順位は子どもです。もし被相続人に子どもがいなければ、相続人は第二順位で直系尊属(親や祖父母)になります。そして、もし子どもがおらず、親や祖父母が他界している場合は、第三順位で兄弟姉妹が相続人になります。

遺産の分け方は4つ

実際に遺産を分けるときに現金や預貯金だけなら簡単に分けられますが、不動産や車などの分けにくい財産も多くあります。遺産の分け方は全部で4つの方法がありますので、解説していきます。

  • 現物分割: 不動産や預貯金、株式などをそのままの状態で、誰が何を取得するかを決めて分ける方法です。不動産は長男、預貯金は次男、株式は三男などと、現物をそのまま分ける方法ですが、平等に分けられるとは限りません。
  • 換価分割: 不動産や株式など、分けにくい財産を売却して換金し、現金で分け合う方法です。平等に分けやすいですが、手間や時間がかかりやすい方法です。
  • 代償分割: 財産のほとんどが不動産といった場合に、不動産を相続した人が他の相続人に一定の金銭を支払う方法のことです。不動産など分けにくい財産で、特定の相続人が遺産を相続し、他の相続人に対して差額に相当する代償金を支払って調整します。
  • 共有: 相続人の持分を決めて共有名義で登記します。売却や活用する際には他共有者の同意が必要となります。誰かひとりの意思で勝手に売ったり貸したりすることが出来なくなるということなので注意が必要です。

相続人が複数いる場合、遺産分割方法で揉めるおそれがあります。お互いに希望を言いながら全員が納得できる方法を選択しましょう。

【Q3】実家が物置に。処分に困る遺品はどうする?

相続した実家の売却/賃貸を考えているが、大量に残る遺品に困ってらっしゃる方。その困った状態から進展せず、空き家が物置状態になっている方。そんな遺品で困ってらっしゃる方のお話をよく耳にします。国土交通省の調査(平成26年空家実態調査)でも、空き家にしておく理由として「物置として必要だから」という回答が44.9%もあったことに驚きです。
これはあくまでも不動産屋としての意見ですが、住宅を物置として利用するのはあまりにも不経済に思えます。とはいえ、処分方法が分かりづらいものや、処分に注意が必要なものがあることも確かです。そのような遺品について、ステップを踏んた処分方法がありますので確認していきましょう。

仏壇・仏具

実家に仏壇がある場合、自宅に移動するか処分するか二通りです。いずれにせよ、僧侶にお経を唱えてもらって、仏壇からご先祖様の魂を抜いてもらう「閉眼供養(へいがんくよう)」の儀式をおこなう必要があります。その後の対応はそれぞれ異なります。

  • 自宅に移動させる方法:
    閉眼供養をおこないご先祖様の魂を仏壇から抜いてもらい自宅に移動させた後は、再び魂を入れる開眼供養(かいげんくよう)をおこないます。なお、自宅に仏壇を置けるスペースがない場合は、コンパクトで新しい仏壇を購入し、そちらに魂を移し替えることも可能です。閉眼供養し、魂を抜いた後の仏壇は処分しても構いません。
  • 処分する方法:
    閉眼供養で魂を抜き取った後の仏壇は、一般の家具と同じ扱いになります。処分方法は以下の6つです。それぞれ費用や手間が異なりますので、どう処分するか家族間でよく話し合って決めましょう。

    • 寺院に依頼する
    • 仏壇店に引き取ってもらう
    • 粗大ごみとして捨てる
    • 廃品回収業者に処分してもらう
    • リサイクル業者に依頼する
    • 遺品整理業者に処分してもらう
車・バイク(一旦相続・名義変更しないと廃棄できません)

親の使っていた車やバイクは、ただ売却したり処分したりすれば良いというものではありません。亡くなった方の名義のままでは勝手に処分することができないので、相続して所有者変更する必要があります。名義変更して自分のものになれば、売却や廃棄など自由に処分できるようになります。バイクの場合は、先に廃車手続きをおこなってから名義変更をおこなうので、車とは順番が異なるので注意が必要です。車やバイクの処分には、正しい手続きを経て処分する必要があるので、流れに沿った手続きをするようにしましょう。

刀剣類(刀剣法の登録書がないと手に取ることも出来ません)

実家の遺品整理をしている最中に、日本刀などが見つかるケースもあります。日本刀が見つかった場合、まずは「銃砲刀剣類登録証」があるか探す必要があります。
銃砲刀剣類登録証とは、各都道府県の教育委員会により発行される証明書で、日本刀のなかでも美術的価値があるものだけに発行されるものです。この登録証があれば刀を所持したり処分したりすることができるのですが、なければ銃刀法に抵触してしまいます。そのため登録証がない場合は管轄の警察へ届け出て、各都道府県の教育委員会が実施する登録会に参加し、登録する必要があります。
なお、登録ができなかった場合、刀を所持することは法律で禁じられているので警察に処分を依頼することになるので覚えておきましょう。

【Q4】実家の近隣からクレーム。特定空き家が全国に急増

近年、実家が空き家になっているケースが全国レベルで急増しています。空き家は、さまざまなトラブルリスクを抱えています。管理不足が原因で、近隣住人や街全体として放っておけない問題へ発展するおそれもあるので、所有者だけの問題として片づけることはできません。この章では、定期的な管理がされていない空き家にまつわるリスクについて解説していきます。

景観が悪化する

一戸建てで庭がある場合、定期的な手入れをしていないとあっという間に雑草が伸びたり、木の枝葉が伸びて隣家に越境したりしてしまい、周囲に迷惑をかけてしまいます。草木が生い茂っていると景観が見苦しいだけでなく、不法投棄やスズメバチなどの害虫、ネズミなどの繁殖の場となってしまうおそれがあるので注意が必要です。空き家が放置されていると近隣住人にも迷惑をかけてしまうので、定期的な管理が必要となります。

不法投棄されるリスク

放置されている空き家には、第三者が勝手にゴミを敷地内に捨てていくケースもあります。粗大ゴミなど処分に困るゴミを空き家に投棄して、そしてそれを見たまた別の人がゴミを捨て、ゴミ屋敷になっていく可能性があります。定期的に空き家へ訪問し、不法投棄されない環境を整備していく必要があります。

近隣住人から損害賠償を請求されるリスク

空き家管理を怠っていると、以下の事件や事故が発生するおそれがあります。

  • 老朽化した空き家が倒壊し、人身事故を起こす
  • 強風で建物の一部が破損して通行人に当たってケガする
  • 何者かに放火され、隣家にも延焼す
  • ネズミなどの害獣に配線をかじられて火災が発生し、隣家にも延焼する

所有者の管理不足によって建物の倒壊や火災が起きた場合、その被害者から損害賠償を請求されることがあります。建物の倒壊も火災も、定期的な管理をしていればリスクを避けられます。建物倒壊による人身事故や火災は多額の損害賠償を請求される可能性が高いので、空き家を放置するリスクは非常に大きいのではないでしょうか。「空き家を放置したことにより損害賠償を請求されるリスク」について詳しく知りたい方は、本サイトの関連記事(下記リンク)をご覧ください。

【 関連記事:空き家を放置すると確実に損する3つの理由

 

遠方に住んでいる人は管理会社を利用

定期的な管理をしたくても遠方に住んでいるため、頻繁には通えないといったケースもあるでしょう。その場合は、空き家を管理している管理会社を利用することをおすすめします。費用は掛かりますが、空き家を定期的に巡回し、通風、通水、清掃などをおこなってくれるので、家の状態も保たれ、近隣住人に迷惑をかけるようなトラブルリスクも抑えられます。親の家を放置しておくとさまざまなトラブルが発生し、周辺地域の住人に多大な迷惑がかかるおそれがあるので、管理会社を利用するのも有効です。

実家の扱いに困ったら、五條建設にご相談ください。

この他にも、不動産に関するお困りごとを抱えている方は沢山いらっしゃると思います。自分たちだけで悩まずに、まずは五條建設にご相談ください。本記事中の「成年後見」や「空き家の管理会社」のご紹介など、ご相談内容に応じて丁寧に対応させていただきます。

 

上へ