相続物件でお悩みの方へ

実家を相続した方/これから相続する方へ(2) ─ 費用

築年数の経った相続物件はお金も手もかかります。売却、賃貸、空き家のまま維持、どのように利用しても、さまざまな負担が所有者にのしかかります。
売却や賃貸であれば、支出だけでなく収入もありますが、空き家のまま維持する場合は維持管理費がかかるだけなので、費用を考慮したうえで維持するか判断することが大切です。相続人が1人ではなく複数いる場合は、費用負担でトラブルになるケースも少なくありません。相続人全員が納得して実家の利用方法を決めるためには、発生する費用相場の把握が大切です。円満な相続にするためにも、ぜひこの記事をご参考にしてください。

1. 更地にかかる費用(解体費用、産業廃棄物処理費、測量費)

家の状態が悪く、倒壊や破損の危険性がある場合は、リフォームするよりも解体して更地にするほうが、近隣住民に迷惑をかけることもなくなるので心理的な負担も軽減できるでしょう。ここでは、更地にかかる解体費用や産業廃棄物処理費、測量費の相場について解説します。地域や業者によってかかる費用は異なりますが、「相続した実家を更地にしよう」と考えている方の目安になると思いますので、ぜひ参考にしてください。

解体費用

一戸建ての解体費用の相場は、家の構造によって異なります。木造だと壊しやすいので価格は安くなり、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などは壊しにくい構造なので解体費用が高くなる傾向にあります。建物の立地や接道状況によっても費用は異なりますが、構造別の相場は以下のとおりです。

  • 木造:3~5万円/坪
  • 鉄骨造:5~7万円/坪
  • RC(鉄筋コンクリート)造:6~8万円/坪

たとえば、木造30坪の一戸建てであれば90~150万円程度、鉄筋コンクリート造40坪の一戸建ては240万円~320万円程度となります。決して安くはない解体費用ですが、自治体によっては家の解体費用に補助金制度を設けているところもあります。
たとえば横浜市では、耐震性が不足する木造住宅等の除却工事費用を補助しています。除却とは、固定資産を解体・廃棄することです。除却工事費用に対する補助金額は、以下のうちもっとも低い額となります。

  • 200,000円(課税世帯)・400,000円(非課税世帯)
  • 対象建築物の延べ面積(㎡)×13,500円/㎡に1/3を乗じた額
  • 対象建築物の除却工事に要する費用に1/3を乗じた額

対象物件や審査条件は自治体によって異なりますので、実家のある自治体に内容を確認しましょう。

【 参考:住宅除却補助制度(横浜市ホームページ)


産業廃棄物処理費

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物で、法律で20種類に分けられています。家屋を解体する際に産業廃棄物がでるので、適切な処理をしなければなりません。解体業者に依頼すれば廃棄物ごとに適切に処分してくれますが、当然費用がかかります。産業廃棄物を処理する費用の目安は以下のとおりです。

品目相場価格(㎥)
軽量混合廃棄物13,000円~
廃プラスチック系混合廃棄物16,000円~
ガラ混合廃棄物30,000円~
ボード混合廃棄物30,000円~
木くず13,000円~
石膏ボード30,000円~
タイルカーペット25,000円~
タイル25,000円~
サイディング30,000円~
がれき類およびガラス陶磁器くず25,000円~
蛍光灯360円/本程度

少しでも費用を抑えるために、机やベッド、タンスなどの家財道具で自分でも捨てられるものはなるべく処分しておくと良いでしょう。家財道具の処分方法は、お住まいの自治体に依頼して粗大ごみとして回収してもらう方法があります。自治体が指定しているコンビニやスーパーなどの取り扱い店でごみ処理チケットを購入し、指定日に家財道具をゴミ捨て場に運んでおけば、回収してもらえます。回収費用の相場は自治体によって異なりますが、粗大ごみの品目ごとに500~3,500円程度の料金になるケースが多いようです。


境界線の測量費

不動産の相続や売買で必要となる測量は主に「現地測量」と「境界線確定測量」の2つです。

現地測量は、現地にある建物の構造物や境界標などを計測し、土地のおおよその面積などを測る簡易的な測量です。相続税の計算をするときに、土地の評価額を算出するために使われます。現地測量の相場は、10万円〜40万円程度のケースが多いです。

境界確定測量は、土地の境界線を確定させるため隣地所有者が測量に立ち会い、双方の合意をもって境界線を確定させます。相続で土地の分筆や物納(税金を不動産などのお金以外で納めること)がおこなわれる際に、必ず境界確定測量が必要です。境界確定測量には現地測量で調査する内容も含まれているため、現地測量よりも高額になり、相場は30万円〜80万円程度となるケースが一般的です。境界確定測量をおこなうことで、隣地所有者や買主、相続人同士のトラブルを防げるので、多少の費用がかかったとしても実施するほうが良いでしょう。

2. ハウスクリーニング費用/リフォーム費用

「実家をクリーニングやリフォームしたいけど、費用相場がいまいちわからない」という方も多いのではないでしょうか。相続した実家に「住む」「貸し出す」「売却する」いずれにせよ、ハウスクリーニングやリフォームの実施を検討されると思います。ハウスクリーニングやリフォームは、家の広さや内容によって費用の相場が異なります。どれくらい費用がかかるのか、それぞれ解説してまいります。

ハウスクリーニング費用

ハウスクリーニング費用は、部屋の広さはもちろん、家具・荷物の量、居住中か空き家状態かによっても異なります。あくまで目安ですが、一戸建てのハウスクリーニング費用の相場は、以下のとおりです。

  • 3LDK~4LDKは、7万円~13万円
  • 5LDK~6LDKは、9万円~18万円

クリーニングの内容は、どこの業者も大きくは変わらず次のようになっています。

  • 玄関
  • 浴室
  • トイレ
  • エアコン
  • 台所
  • 換気扇
  • 洗面所
  • 脱衣所
  • ベランダ・バルコニー
  • 窓サッシ
  • 各部屋
  • 廊下
  • 階段

自分でできる個所は自分で掃除したり、空き家になってから依頼したりすることで、費用を抑えられる可能性があります。賃貸や売買をするのであれば、部屋がきれいだと内見者に対して良い印象を与えられるので、ハウスクリーニングは必須といえるでしょう。


リフォーム費用

リフォーム費用はピンキリで、内容によって費用は大きく変わります。上を見ればきりがなく、つい予算をオーバーしてしまうケースも少なくありません。キッチンや浴室などの水廻りを変えると一気に費用は上がるので、リフォームする際は、あらかじめ範囲と目的を事前に決めておくようにしましょう。リフォーム内容ごとの一般的な相場は以下のとおりです。

リフォーム内容相場
キッチン50~100万円
トイレ15~30万円
浴室60~120万円
洗面化粧台10~25万円
壁紙張り替え5~10万円
床張り替え5~20万円
ガスコンロ10~20万円
IHクッキングヒーター15~20万円
ガス給湯器15~25万円
エコキュート40~50万円

なお、国が提供する「こどもみらい住宅支援事業」などのリフォーム時に利用できる補助金などもありますので、条件に当てはまる方は利用してみてはいかがでしょうか。

【参考:こどもみらい住宅支援事業について(国土交通省)

3. 空き家の維持費(管理会社、固定資産税、火災保険、光熱費)

誰も住んでいない空き家だからといって、何もせずに放置しておくわけにはいきません。
相続物件を空き家のまま維持しようと思うと定期的な管理が必要になり、固定資産税や火災保険など、さまざまな費用がかかります。
では、具体的にどのような費用が発生するのか確認してみましょう。

固定資産税

不動産を所有していれば、必ず固定資産税を納税しなければなりません。固定資産税の税率は自治体によって異なりますが、一般的には土地と建物の固定資産税評価額に対して税率1.4%です。たとえば、固定資産税評価額2,000万円の建物を所有している場合は、以下の計算式で求められます。

2,000万円 × 1.4% = 28万円

また、土地が200㎡以下の小規模住宅用地の場合、固定資産税評価額が1/6になる優遇制度があります。固定資産税評価額1,500万円の土地の場合、以下の計算式で求められます。

1,500万円 × 1/6 × 1.4% = 3.5万円

この事例の場合、建物と土地を合わせて31.5万円の固定資産税を納める必要があります。


都市計画税

所有する不動産が都市計画法で定める市街化区域内にある場合に納める税金です。都市計画税の税率も自治体によって異なりますが、一般的には土地と建物の固定資産税評価額に対して税率0.3%です。たとえば、固定資産税評価額2,000万円の建物を所有している場合は、以下の計算式で求められます。

2,000万円 × 0.3% = 6万円

また、土地が200㎡以下の小規模住宅用地の場合、固定資産税評価額が1/3になる優遇制度があります。固定資産税評価額1,500万円の土地の場合、以下の計算式で求められます。

1,500万円 × 1/3 × 1.4% = 1.5万円

この事例の場合、建物と土地を合わせて7.5万円の都市計画税を納める必要があります。なお、固定資産税・都市計画税は毎年5月頃に届く納税通知書に詳細な金額が記載されていますので、そちらを確認するほうが早くて確実です。


火災保険

火災や倒壊などのリスクのある空き家の場合、一般住宅よりも保険料が高くなるケースが多いです。火災保険は、構造や立地、築年数などで異なりますが、年間で数万円~数十万円がかかります。


電気・水道代

空き家を維持するのであれば、電気・水道をそのまま契約し続けることが多いでしょう。高額ではありませんが、それぞれ基本使用料がかかるので積み重なると大きな出費になります。

電気代は月1,000円程度、水道代は1,500円程度と見ておけば十分でしょう。
年間だと電気代1.2万円程度、水道代は年間で1.8万円程度となります。


修繕費

建物が老朽化するとさまざまな不具合が発生するので、修繕工事が必要です。たとえば、雨漏りや外壁塗装の塗り直し、壁材の破損、窓ガラスの交換などがあります。

工事内容によってかかる費用はバラバラですが、数万円~数百万円と大きな出費になる可能性があります。


管理会社に支払う管理料

空き家が自宅の近所にある場合は定期的に訪問できますが、遠方に住んでいる場合は気軽には行けません。遠方に住んでおり定期的に管理できない場合は、空き家の管理をしている管理会社へ依頼するのも1つの方法です。依頼する内容にもよりますが、管理料の相場は、月5千円〜1万円程度なので、年間で6万円〜12万円程度となります。管理料がかかりますが、近隣トラブルが起きたり特定空き家に指定されたりするデメリットを考慮すると、管理料を支払っても管理会社に委託するほうがはるかにお得です。
空き家を放置すると損する理由について、別の記事で詳細に解説していますので、下記リンクからご参考ください。

【 関連記事:空き家を放置すると確実に損する3つの理由

空き家の年間維持費をまとめると、以下のとおりです。

費用内訳年間維持費
固定資産税31.5万円
都市計画税7.5万円
火災保険18万円(月1.5万円の場合)
電気・水道3万円
修繕費5万円(軽微な修繕の場合)
管理料12万円
合計77万円

あくまで仮の計算ではありますが、誰も住んでいない状態で年間70万円の維持費がかかるので、空き家を維持するかどうかは年間維持費を計算してから決めることをおすすめします。

4. まとめ

実家を相続することを選択した場合、実家をどのように扱うにしてもさまざまな費用がかかります。実家の利用方法を決める際に、どれくらい費用がかかるかを計算して、おおまかでも良いので費用を理解しておくと判断がしやすくなるでしょう。ただし、細かい計算が必要になるものもありますので、税理士や不動産会社などの専門家に相談して進めていくことをおすすめします。
もちろん、五條建設へのご相談も大歓迎です。お気軽にお問い合せください。

関連情報

本ページの関連記事はこちらからご覧いただけます。

 

上へ